さび病

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栽培技術 > 病害虫防除 > さび病

「イチジクは無農薬で育てられる」とよく言われます。もちろん無農薬で育てられないことはないですが、防除対策を取らないと様々な病害虫の被害にあいます。その中でも被害にあいやすい「さび病」についてをこちらで解説します。

症状

葉の裏面に黄褐色の微細な斑点が発生し、しばらくすると淡黄色の、粉状の夏胞子層が形成されます。さらに症状が進行すると、赤褐色の斑点を生じ、そこに黒色斑点(冬胞子層)も発生した後に、病葉は落葉期を待たずして早期に落葉します。

落葉が進行すると最終的には枝と果実だけの状態になってしまいます。新しい葉が発生しない場合、その年の苗や果実の成長や成熟が止まってしまうだけでなく、翌年の新枝を伸ばすために必要な栄養を生み出すための秋〜冬の間の光合成ができなくなります。

伝染経路と発病条件

発病適温は25~30℃であるため、日本では初夏と秋の2回をピークに発生します。夏胞子は風で分散し二次伝染します。また、病葉に生じた冬胞子の形で越冬し、翌年の伝染源となりえます。

防除の考え

農薬や薬剤は「さび病」になる前の予防と、なってからの対処の段階で使用されますが、症状が出る前に予防しておくことが望ましいです。愛知農総の試験成績(1994)によると、試防除適期については7~8月に15日間隔で4回の薬剤散布がもっとも効果的とのことでしたが、通常年の初発時期と潜伏期間を勘案すると、8月が最も重要な防除時期になります。

さび病が発生した場合は、枯れ落ちた葉にはさび病の「胞子」が付着しているため、そこからさらに広げないためにも直ちに処分する必要があります。また、落葉を待たずして病気が発生している葉もできるだけ取り除くのが望ましいです。

防除の実例

「東京いちじく愛好会」チキンカツ さん

詳しくはないですが、トリフミンを使っています。予防と防除に使えるみたいで6、9月に使いました。三回まで収穫前日まで浸透するタイプなので使いやすいかなと思います。
治療も出きるので出てからも大丈夫です。錆びだらけの苗が届いて、散布して全落葉しましたが。新葉出て、まもなく収穫に漕ぎ着けそうです。予防薬と組み合わせかローテが○かもです。
追記。
窒素過多でもなりやすく、葉の裏面に胞子がある?から葉裏の散布をしっかりすと良いそうです。

「東京いちじく愛好会」レゾ さん

さび病対策
ラリー水和剤    予防・治療効果、EBI剤
トリフミン水和剤  予防・治療効果
アンビルフロアブル 予防・治療効果、EBI剤
アミスター10    予防・治療効果
ダコニール1000   予防、高温期使用不可
これらを感染開始期から散布する。
感染~発病まで7~25日と幅が広いので落葉期1、2ヶ月前にローテーション終了を目安とする。

ダコニールは高温期に使えないので、それ以外が主力となります。
ほかの農薬の使用回数を使い切ったら秋から使い始める形です。

蔓延してる状態で一週間おきに散布ローテすると、明らかに感染が広がらなくなります。

参考動画

参考リンク