コガネムシ

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コガネムシ類が所属するコガネムシ科は、全世界で約3万種、日本にも約360種が分布しています。体長は数センチ以内の種類が多く、春~秋にかけて成虫が発生し冬に幼虫で越冬する生活サイクルです[1]

コガネムシの成虫も実を食害するなどの害を与えますが、コガネムシの幼虫は植物の根を食害し、食害された植物は水分や栄養の供給ができなくなり最悪の場合は枯死してしまいます。地植えでは根張りの制限がないので深刻な被害になることは少ない(逆に、適度な量であれば根の整理にもなる)ですが、鉢栽培の場合は、たとえ大型の鉢であっても根の量が限られているため、気づいた時には植物自身で支えることができないほど食い尽くされる場合があります。「1匹みかけたら20匹いると思え」と言われるほどコガネムシの繁殖力は強いため、大量発生すると庭木や樹木まで枯らすことがあるので注意が必要です。そのため、落葉期には鉢増しや根の整理がてらにコガネムシの被害がないかチェックし、コガネムシの幼虫がいた場合は駆除するとともに、そもそもコガネムシが産卵できないような環境を作ることが重要です。

生態と被害

ブルーベリー栽培をしている植木職人のブログ記事によると、

交尾した雌は土中に潜って地下10cm 程度の深さに1粒ずつ産卵する。雌1匹当たりの産卵数は平均35粒程度。10~15日でふ化する。

ふ化幼虫は最初土壌中の堆肥など腐食質を食べ、成長すると苗木などの根、主に細根を食害する。この食害により、苗木の黄化、成長不良などの被害が現れはじめる。いくら水をやっても葉が木についたまま枯れ、木をゆするとぐらぐらし、黒土の表土がふかふかした感じになると、コガネムシの幼虫がいる可能性大。鉢植えの場合は、速やかに植替えてコガネムシの有無を確認する。

幼虫は10月中旬頃までは地表から5cmまでの浅いところに生息し秋に地温が14~17 ℃(11月頃)になると、地中深く(20cm位)移動して越冬し、春に地温が10~12℃になると地近くへ移動して再び苗木などの根を食害した後、5月頃地下10~20cm程度の深さで踊化し、成虫になる。

幼虫の害は、9~10月の秋加害と、越冬幼虫による4~5月の春加害の、年2回の加害時期が考えられる。

とある[2]ように、秋の時点でコガネムシの被害が出ている場合、そのまま越冬し春を迎えると苗に止めをさしまうため、休眠期の鉢増しや植え替えのタイミングでコガネムシの幼虫がいるか確認するのが望ましい。また、鉢増しの予定がなくてもポットから取り出して根のチェックをしたる、最低でも「木をゆするとぐらぐらしないか」「黒土の表土がふかふかしないか」のチェックはしておくと良い。もし大きな被害が出ている場合は、剪定枝を挿し木するなどしてバックアップを取ることが望ましい。

予防

  • 土の表面に網やネットをかけるなどして物理的に侵入できないようにする
  • 成虫を見つけたら捕殺する(早朝は動きが鈍い)
    • ブルーベリーで効果のある「ダイアジノン」についてはイチジクに使用できない

対策

  • 夏にポット苗や鉢植えとして、園芸店やネット(通販、個人売買ともに)で購入した場合、すでに土に卵が産み付けられている可能性があるので、購入時に鉢増し・植替えをした場合でも冬に根のチェックをする
  • 休眠期であれば根鉢を取り出し根の整理とともに幼虫を捕殺する
  • 休眠期以外にコガネムシ幼虫が土中にいる恐れがある場合、一般的に水をはったバケツに浸け溺死させる方法もあるが、イチジクは過湿(=水没による窒息)に弱いため不適の可能性もあるため注意

参考動画

外部リンク