栽培テクニック by figboss

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Ross Raddi氏のブログの翻訳です。

剪定について

剪定は最小限にとどめるべきと私は考えています。なぜなら、ほとんどの品種は強剪定をすると、翌シーズンに生育が旺盛になりすぎるからです。品種によっては強剪定が有効なものもありますが(下記の若返り剪定を参照)、私のところでは強剪定をすると大半の品種が結実しなくなります。この収量の低下を正すには、植物ホルモンを変化させることで介入するしかないのです。また、どのような剪定でも、剪定後は秋果の収穫が遅れ、剪定し過ぎると、その季節にできる果実の数が、軽く剪定した場合よりも少なくなってしまうのです。地植えの木で剪定を控えめにした場合と、強剪定をした場合とを比較すると、私の主張の正しさが証明されます。少なくとも地上部の樹体がある程度残っている方が、翌年の結果が早く、多くなるのです。M.Ponsによると、枝の先端を切り落とすか、7.5cm以下の枝を間引くような軽い剪定が推奨されています。ヨーロッパの冷涼な気候の地域では、剪定を全くしないことを良しとするベテラン生産者もいます。そのような生産者は、その方が2週間早く収穫できると信じています。なぜでしょうか?その理由のひとつは、頂芽が保存されるからです。翌年、休眠から覚めた頂芽の生育は非常に旺盛です。この新芽は、側芽よりも早く成熟するのです。もし、強剪定をするのであれば、3分の1や半分に切るのではなく、生育の悪い枝全体を切り取って少し間引く方が賢明だと思います。私の住んでいる場所の気候では頂芽はできるだけ残すべきだと思いますが、枝の先端を剪定することで翌シーズンの側芽の成長を促し、増産につなげることができるのも確かです。つまり、枝の先端の剪定と頂芽の保存の組み合わせが、私の目的には最適だと思いますし、ほとんどの場合、軽い剪定にとどめるべきなのだと思います。確かに、特定の品種については強剪定により収量を増大させることが出来ますし、RdB、IC、Floreaのような品種は環境が合えば何をやっても実をつけることができます。これが剪定についての議論に混乱を生じさせているようです。しかし、先端を切り落とすだけで同じような効果を得ることができるのがこの方法の特徴なのです。


若返り剪定

これはM.Ponsが彼の本の中で述べている剪定法です(詳しくは若返り剪定を参照)。AscPeteも多くのスレッドでこの剪定に言及しています。この方法は、成長が止まっている木、FMV濃度が高い木、収量が落ちている木、様々な問題に対して有効です。これは、リセット・スイッチだと考えてください。樹木が根元まで枯れると、その後非常に勢いよく再生し、ほとんどの場合、以前よりも健康になることはご存じのとおりです。これは鉢植えでも可能です。今シーズン、3年目になるPlaneraの鉢植えを若返らせる剪定をしました。3年間、ほとんど成長せず、実の量も驚くほど少なかったのです。6月に根元まで切り詰めたところ、新たに元気な芽が出てきました。これからは、この剪定法によって私の他の木もPlaneraのように再生することができると思います。この方法は、最初からやり直すより断然良いので、もっと多くの人に試してもらいたいと思いますし、もしかしたら、発根させた翌年には、この方法が標準になるかもしれません。


コンテナ栽培で最も一般的な2つの方法

コンテナ栽培で最も一般的な2つの方法にあるように、イチジクをコンテナで栽培する場合、大きく分けて2つの方法があります。Bの方法は、RdB、IC、Floreaなど、収穫時期を早めることよりも生産性を重視する品種にとても有効だと思います。対してBの方法は、決して晩生の品種に使うべきではないと思います。私は、採用する技術には柔軟性が必要だと思います。どの場所でもどの木でも同じ方法というわけにはいかないのです。